
- 和文と欧文書体に別々の書体にしたい。
- 漢字とひらがなを別々の書体にしたい。
- 別々に指定した書体を1つのグループとして扱いたい。
ココがポイント
結論:
Adobe Illustratorの「書式」にある「合成フォント」の機能を使用すると、「漢字」「かな」「全角約物」「全角記号」「半角欧文」「半角数字」を、個別に「フォント」「サイズ」「ベースライン」「垂直・水平比率」の設定を変更することができ、その合成されたフォントを1つのグループとして保存・利用することができます。
皆様こんにちは。ユウスケと申します。
日々の生活で役立つ情報を発信しています。

今回は、よく利用するフォントをオリジナルの名前を付けて保存できる、Illustratorの「合成フォント」について説明していこうと思います。
「合成フォント」機能を利用すると、「漢字」をゴシックに「かな」を明朝にしたフォントを一括の設定で保存できたり、「半角数字」が「漢字」「かな」より見た目が小さいときにサイズを大きくし同じに大きさにしたフォントに設定できたりと、頻繁に使用する設定をオリジナルの名前で設定・保存でき、作業場面によっては作業効率をあげるために便利な機能になると思います。
目次
1.新規合成フォントを作成
1.Step1_「合成フォント」ウィンドウ表示
メニューバーの「書式」から「合成フォント」を選択。「合成フォント」ウィンドウが表示されます。
1.Step2_「新規合成フォント」を作成
「合成フォント」ウィンドウ左下の「新規」ボタンをクリック。「新規合成フォント」のグループ名を「名前」で入力できます。
また、「元とするセット」既存の設定を流用することもできます。
「合成フォント」ウィンドウ左下にある「▶サンプルを表示」をクリックすると、合成イメージを確認しながら設定をすることができます。「ズーム」を変更することで、合成イメージも拡大して確認できます。
2.「漢字」ゴシック・「かな」明朝で合成フォント作成
合成フォント名を「ネーム」にし、「漢字」をゴシック体・「かな」を明朝体で合成フォントを作成してみます。
2.Step1_「漢字」をゴシック体で設定
「合成フォント」ウィンドウの「漢字」の「フォント」をプルダウンから変更できます。今回は、ゴシック体の「りょうゴシック PlusN」を選択しています。
2.Step2_「かな」を明朝体で設定
「合成フォント」ウィンドウの「かな」の「フォント」をプルダウンから変更できます。今回は、明朝体の「りょう Display PlusN」を選択しています。
サンプルを表示して、合成したフォントのイメージを確認できます。今回は明朝体が細く見えるので、太い書体を適用しています。このようにイメージを見ながら調整もできるので、お好みのフォントデザインに仕上げることができるでしょう。
「保存」ボタンをクリックして設定を保存します。
2.Step3_合成フォントの使用例
作成した合成フォントは、フォント選択プルダウンメニューに登録されており、そこから選ぶことができます。漢字がゴシック体で、かなが明朝体の合成フォントができました。
3.「半角数字」だけサイズが大きい合成フォントを作成
書体によっては「半角数字」が漢字・かなに比べ小さくなるものもあります。このような書体を合成フォントで修正してみます。
今回は、「半角数字」と漢字・かなのサイズ差が目立つ「MS UI Gothic 標準」を使って修正してみたいと思います。
3.Step1_「漢字」「かな」をサイズ100%で設定
「合成フォント」ウィンドウ左下の「新規」ボタンをクリックして新しい合成フォントを作成。全ての書体を「MS UI Gothic 標準」に設定。サイズは自動で「100%」になるので変更なしで進行します。
3.Step2_「半角数字」のサイズを変更
サンプル表示を確認しながら、「半角数字」のサイズを漢字・かなと同じになるように調整します。今回はサイズを120%に変更することで、見た目の高さがそろっているようにできました。
フォントが上にずれてみえるので、「ベースライン」の値も調整。
「半角欧文」もサンプルを見ると、サイズに差が見られるので、同じ値を適用して調整してみました。
3.Step3_合成フォントの使用例
作成した合成フォントは、フォント選択プルダウンメニューに登録されており、そこから選ぶことができます。
4.長体や平体も設定できる
フォントの太さが「半角数字」の方が太く見えたので、垂直比率・水平比率の調整もご紹介します。
「3.Step2_「半角数字」のサイズを変更」で変更したサイズを「100%」に戻し、垂直比率(文字の高さ)を「120%」に、水平比率(文字の幅)を違和感がない程度に拡大してみました。このように、文字の高さと幅もそれぞれの値に変更することができます。
まとめ
お疲れ様でした。
Adobe Illustratorにある「合成フォント」を使用すると、テキストの「漢字」「かな」「全角約物」「全角記号」「半角欧文」「半角数字」を、個別に「フォント」「サイズ」「ベースライン」「垂直・水平比率」の設定を変更できます。
この合成フォントを適用しているテキストを使用すると、テキストを入力をするだけで設定されている個別の書体になるので、長文を作成する場合に便利な機能になるでしょう。頻繁に使用するフォントの個別設定は「合成フォント」を作成して使い回すのも1つの手段だと思います。
最後まで、ご一読いただきありがとうございました。